篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
(写真:西村尚己/アフロ)
「現代用語の基礎知識選 2024ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞に「ふてほど」が選ばれましたが、この発表を受けてSNSを中心に「聞いたことがない」と困惑し、本当に流行語なのかと疑問に思う声が上がっています。
ココがポイント
流行語大賞は「ふてほど」 トップテンに「50-50」―「裏金問題」「新紙幣」も
流行語大賞は「ふてほど」という聞いたこともない単語に
流行語年間大賞は「ふてほど」 ドラマ主演の阿部サダヲ「正直“自分たちでは一度も…」
2024年の新語・流行語大賞に納得していますか?(中略)納得していない 9,542票 納得している 347票
エキスパートの補足・見解
じつは筆者も「ふてほど」という言葉を聞いたことがありません。ドラマ名の『不適切にもほどがある!』は放送時にX(旧Twitter)で見かけたことがあります。
トップ10に入っている「50-50」や「Bling-Bang-Bang-Born」の方が記憶に新しく、本当に「流行語なのか?」と思ったので検索キーワードの人気度を調べる『Google トレンド』で調べてみました。
Googleトレンドによる検索キーワードの人気傾向。入力されたキーワードのなかから一番人気なものを「100」として比較できる。赤色の線が「不適切にもほどがある!」。筆者キャプチャ
すると、たしかに『不適切にもほどがある!』は年間でかなりの人気だったことが分かります。記憶に新しかったキーワードは、ほとんど検索されていません(検索数と人気度が必ずしも同じわけではありませんが)。
多くの人が疑問に思ったのは、略称である「ふてほど」の方が選ばれたからでしょう。
選考委員の方々がどのような考えで略称の方を年間大賞にしたのかは分かりませんが、「ふてほど」の略称は同作の公式Xアカウントでは毎回のように使われているため、そちらを考慮したのかもしれません。
どのような事情があったにせよ、発表されたときに「え? そっちなの?」となるならまだしも、「え? 聞いたことない」と多くの人が反応してしまうようなことを続けると、流行語大賞も「オールド流行語大賞」扱いされる未来になるのかもしれません。
ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は [email protected] まで