兵庫県の元・西播磨県民局長が4月に県の公益通報窓口におこなった内部通報について、県の担当部局による調査結果が発表されました。斎藤知事の贈答品「おねだり疑惑」については「これまでの慣例で判断されてきたため、誤解を招くケースがあった」とし、「パワハラ疑惑」については「あったという確証までは得られなかった」としています。 【このニュースを動画で見る】斎藤知事めぐる“疑惑”内部調査結果は… 元局長は3月中旬に斎藤知事のパワハラや贈答品受領に関する疑惑など7項目について告発する文書を作成して配布し、4月4日には同じ内容を県の公益通報窓口に内部通報していました。 兵庫県はこの通報に対する調査の結果を待たず、5月7日に元局長を停職3カ月の懲戒処分にしていて、斎藤知事はこの対応を「問題はなく適切だった」としています。
県の公益通報制度を所管する「財務部」は、斎藤知事ら関係者への聞き取りや、必要書類の提出を求めるなどの調査を進め、7月ごろには結果を取りまとめていました。 内部通報の内容は非公表が原則ですが、関係する県の部局に「是正措置」を求めるような重要事項は、調査結果を公表出来るという規則があり、今回の発表に至ったということです。 「おねだり疑惑」については、 ・企業などからの贈答品の受け取りがこれまで慣例で判断されてきたため、知事が意図しない受け取りにつながったケースがあった、 ・「貸与を装った贈与ではないか」と誤解を受けるケースがあった、 などと指摘し、 「パワハラ疑惑」については ・知事自身が職員に強い口調で指導することがあったと認識していた ・「知事から強く叱責を受けた」と認識する職員が一部いたが、パワハラとまでは確認出来なかった ・よって、パワハラがあったという確証までは得られなかった などとする調査結果をまとめました。
元局長の告発文書にはほかにも「(2021年の)知事選での違法行為」や「政治資金パーティ疑惑」「優勝パレード疑惑」といった項目がありますが、県の財務課はこれらの項目について、「是正措置を求めるような問題はなかった」との認識を示しました。 元局長の告発文書をめぐっては、県議会の百条委員会と弁護士からなる第三者委員会でも調査が続けられていて、百条委員会は「年度内を目標に」、第三者委員会は「来年3月上旬をメドに」報告書がまとめられる見通しです。