広島・矢崎拓也
プロ野球・現役ドラフト(9日、非公開)ヤクルトは、広島・矢崎拓也投手(29)を獲得した。主に救援で通算149試合に登板するなど実績は十分。高津臣吾監督(56)はリリーフでの起用を明言した上で、期待を寄せた。
「対戦してきた中の投手としては、非常に特徴のある投手だと思っていますし、その特徴を生かせる場面で登板させてあげたいなというのが第一ですね。長所は球の強さとフォーク(ボール)、縦変化ですよね。多少、球が荒れることもありますけど、打者としては打ちずらい球、真っすぐ、変化球だと思います」
矢崎は慶応高、慶大を経て2017年にドラフト1位で広島に入団。22年には47試合、23年には54試合に登板し、ブルペンを支えてきた。8年目の今季は26試合に登板し1勝1敗、防御率3.60、10ホールド。ヤクルトの本拠地、神宮球場は東京六大学リーグで使用しており、縁もある。
2年連続リーグ5位に終わった今季、チーム防御率3.64はリーグワースト。投手陣の再建が鍵になっているだけに、高津監督も「優先順位はやっぱり投手が主でしたね」と明かし「本当は先発がもっとしっかりしてというか、人数がそろってローテーション回るくらいの人員を確保できるのが一番だと思うんですけど、現状先発が足りないのは明らかなことなので、だったらもうリリーフを厚くするしかないなとは思っている」と説明した。
現役ドラフトは今回が第3回。第1回で指名された細川成也(DeNA→中日)は2年間で47本塁打を放ち、今季はベストナイン賞を受賞。大竹耕太郎投手(ソフトバンク→阪神)は2年間で23勝を挙げた。
3人のドラフト1位選手が指名された第2回では1軍出場機会のなかった水谷瞬外野手(ソフトバンク→日本ハム)が今季に交流戦MVPを獲得するなど、打率.287、9本塁打とブレーク。佐々木千隼投手(ロッテ→DeNA)は28試合の登板で防御率1.95の成績を残し、日本シリーズ初登板を果たした。
高津監督は「現役ドラフトだけではなく、移籍するというのはとてもいいことだと思っています。もちろん現役ドラフトという形でも成功例がいくつでもあるわけなので、今後どういう形で進んでいくのかは置いておいて、そうやって次のチームで活躍の場所を求めていく、そして実際成功例が出てくるというのは非常にいいことだと思います。今回の現役ドラフトもぜひ成功者がたくさん出てくることを望んでいます。(矢崎も)もちろんそうだと思って指名させていただいた」と口にした。