『1575:[ガン予防]治っても生活の質が悪化する可能性もある膀胱がん…リスク減らす食材は?』

■ [ガン予防]治っても生活の質が悪化する可能性もある膀胱がん…リスク減らす食材は?

膀胱(ぼうこう)がん」、あまり見聞きしない言葉かもしれません。しかし毎年2万5千人近くで発見され、1万人近くが亡くなっているガンです。また患者数は人口の高齢化を受け、増え続けています。

早期に見つかれば「5年生存率」は85%以上と良好ですが、それより遅れて発見されると40%以下まで落ちてしまいます [以上、国立がん研究センター「がん情報サービス」。

そして進展してから見つかると、膀胱を全摘出しなくてはならないケースが増えてきます。そうなると残りの人生は人工膀胱です。生存していても生活の質は大きく変わってしまうでしょう。

やはりほかのガン同様、「早期発見」に加え「予防」が大切です。ではどうやったら予防できるでしょうか?

国立がん研究センターが特に推奨しているのは「禁煙」ですが [同センター「がん情報サービス」] 、食べ物も膀胱がんリスクに栄養を与えている可能性が報告されています。

「栄養学」という学術誌に載った、温州医科大学(中国)のチュニン・テン博士たちによる研究を簡単にご紹介します(掲載は2023年2月) [文末文献1] 。

●「大豆油」は膀胱がんリスクを高める可能性「大」。減らすなら「乳製品」と「ナッツ」。

同博士たちは中国で、まず、膀胱がんと新たに診断された113人と、それら113人と年齢や性別がそろえた膀胱がんではない292人を集めました。その上で過去1年間の食事内容を調査票を用いて詳細に調べ、「膀胱がん患者」と「膀胱がんでない人」たちの間で、何か飲食に差がないかを解析したのです。

その結果、膀胱がんリスクを大幅に減らす可能性が高い食材として、「海水魚」「牛乳 / 乳製品」「ナッツ類」の3つが明らかになりました。

ただし細かく調べると、「牛乳 / 乳製品」で膀胱がんリスクが下がる可能性があるのは「男性」だけでした。

逆に、膀胱がんリスクを大きく高めていたと考えられたのが「大豆油」です。使えば使うほど膀胱がんリスクは高くなる、そんな関係が認められました。

ウィキペディアによりますと大豆油は、「サラダ油の他マヨネーズやマーガリンの原料などとして広く用いられる」とありますので、これらの食材にも注意した方が良いかもしれません。

なおこれら4種以外には、膀胱がんリスクを減らしたり増やしたりすると思われる食材はなかったとのことです。

最後に…

一般的に健康に良いと思われている「大豆」。そこから採れる大豆油が膀胱がんリスクを高めている可能性があるとは、少し意外ではありませんでしたか?ただし記事にも書いたように、膀胱がんリスクの増加は大豆油を使う量に比例していました。だから使いすぎなければ心配ない、そのようにテン博士たちは考えているようです。

今回ご紹介した論文

  1. 膀胱がんを起こしやすい食材と起こしにくい食材を調べてみたら・・・

■教えて下さったのは・・・黒澤恵さん(Kei Kurosawa)

医学情報レポーター。医療従事者向け書籍の編集者、医師向け新聞の記者を経てフリーランスに。15年以上にわたり新聞社系媒体や医師向け専門誌、医療業界誌、会員向け情報誌などに寄稿。近年では医師向け書籍も共著で執筆。国会図書館収録記事数は3桁(含筆名)。日本医学ジャーナリスト協会会員。

私の父の「末期癌奇跡の完治闘病記サイト」や

「西洋医学による癌治療・検査などをまとめたサイト」への

リンクはこちら↓

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *